●2004年1月29日(木)
表面・界面機能材料


1
13:30〜14:00
多孔質金属間化合物またはセラミックスの製造方法

名古屋大学大学院工学研究科材料プロセス工学専攻 教授
金武 直幸
http://www.numse.nagoya-u.ac.jp/P6/index.html
 ■技術の特徴
材料合成時の反応熱を有効に利用した省エネルギープロセス
大型装置を必要とせず、短時間に材料製造が可能
大型多孔質材料(製品)の製造も、その一部を加熱するだけで可能である
 ■想定される用途
断熱材、防音材
衝撃吸収部材、軽量高剛性部材
生体材料(硬組織代替材料)
排ガス浄化フィルタ
 ■技術概要
 金属間化合物あるいはセラミックを素粉末原料から合成する燃焼合成法を利用して、極めて簡便なプロセスによって0.1〜5mm程度の気孔を有する多孔質材料を製造し、その気孔率や気孔サイズを制御する技術
 ■従来技術との比較
 多孔質セラミックを製造する粉末焼結法や精密鋳造法に比較して、極めて簡便、短時間、省エネルギーな製造技術である。発泡金属やハニカムに比較して、高温および腐食環境下で利用可能な多孔質材料を製造できる。


2
14:10〜14:40
電子照射による濡れ性の制御方法

愛知教育大学物理学領域 教授
三浦 浩治
 ■技術の特徴
数10eV以下の低速、低照射量の電子によって表面の濡れ性を制御する。
材料表面の構造、硬さを保ちながら水の濡れ性を制御することができる。
 ■想定される用途
濡れにくい表面改質の開発や傷のつきにくい材料開発に役だつ。
水溶液による材料表面の局所的洗浄、エッチングに適用できる。
 ■技術概要
 この発明は、表面コーテイング、表面改質、トライボロジーなどに関わる材料の濡れ性を制御することのできる方法の提案であり、防曇ガラスや微細構造のケミカルエッチングといった分野に適用することができます。
 ■従来技術との比較
 従来の水の濡れ性の制御は、有為な材料を表面にコーテイングすることにより行うのに対し、本方法は材料の表面に電子を照射して材料表面の構造を変えずに水の濡れ性を制御するもので、材料の表面特性として求められる他の特性をすべて満足させ得る新たな表面コーテイング技術である。


3
14:50〜15:20
新規噴霧熱分解法による単結晶ナノ粒子の合成

広島大学大学院工学研究科物質化学システム専攻 助手
Wuled Lenggoro(ウレット・レンゴロ)
http://home.hiroshima-u.ac.jp/aerosol
 ■技術の特徴
粒子の生成が小さな液滴内で生じるために、核生成および成長が均一場で生じ、発生した粒子の凝集が塩の存在により抑制され、粒子のサイズが均一になる。
混入した塩がフラックスとして働き、粒子の結晶が促進さ、単結晶のナノ粒子が製造できる。
製造される粒子が液滴のサイズおよび量に依存しないために、ナノ粒子の大量、高速合成が可能である。
 ■想定される用途
各種の金属、単純酸化物、複合酸化物、非酸化物系のナノ粒子の製造。
機能性セラミックス材料、電子材料、触媒材料など。
 ■技術概要
 気相法にも液相法にも属する噴霧熱分解法により高結晶性のナノ粒子を高速で製造できる新たな手法として、フラックス塩添加噴霧熱分解(SASP)法が開発された。製造温度や塩の量を変化させることで、粒子のサイズを数nmからミクロンオーダーまで制御できる。
 ■従来技術との比較
 従来の噴霧熱分解法ではナノ粒子の合成が困難。SASP法ではナノ粒子合成が可能であり、操作温度は従来の方法での操作温度より低く、省エネルギーが可能。また製造時間が数秒と短く、通常の液相法で施される焼成のような熱処理は必要ない。


4
15:30〜16:00
チタニアナノシート配向薄膜とその製造方法

大阪府立大学大学院工学研究科物質系専攻 教授
辰巳砂 昌弘
 ■技術の特徴
 上記チタニアナノシート配向薄膜は、ゾルーゲル法で合成したシリカーチタニア系ゲル膜を、振動温水処理あるいは電場温水処理することによって、大気中100℃以下の温和な条件で種々の物品に形成することができる。
 ■想定される用途
超親水性が求められる物品:外壁、窓等の防汚
高い光触媒活性が求められる物品:環境汚染物質の分解、室内環境保全
優れた防曇機能が求められる物品:眼鏡、撮像素子等の光学部品
(尚、この薄膜は、ナノシート生成後も非常に透明性が高い。また、低温プロセスなので耐熱性の低い基材にも応用することができる。)
 ■技術概要
 シリカとチタニアを主成分とする薄膜であって、その表面に層状構造を有するチタニアナノシートが析出していることを特徴している。このチタニアナノシート配向薄膜は、超親水性、高光触媒活性、防曇性などを有している。
 ■従来技術との比較
 本発明は、ゾル−ゲル法で合成したシリカ−チタニア系ゲル膜を、振動温水処理あるいは電場温水処理することによって層間0.7nm近傍の層状構造を有するチタン酸ナノシートが膜表面に配向析出するという独創性ある発見によって初めて達成されたものである。このような薄膜を作製する技術は、我々の知る限り他にはない。


5
16:10〜16:40
メソ細孔性ゼオライトの合成方法

千葉大学理学部化学科 助教授
加納 博文
http://pchem2.s.chiba-u.ac.jp/jpn/index.html
 ■技術の特徴
カーボンアエロジェルをテンプレートとするテンプレート法
均一なミクロ細孔とメソ細孔を有するバイモーダル細孔分布を示すゼオライト
比表面積の大きなゼオライト
 ■想定される用途
石油工業や自動車排気ガスにおける触媒担体として広く用いられる
吸着剤
分離剤
抗菌剤担体
 ■技術概要
 現在でも広く工業的に用いられているゼオライトだが、従来極小の細孔(ミクロ細孔)しか持たないという欠点があった。本特許技術によりやや大きな細孔であるメソ細孔を賦与でき、細孔内で吸着分子が有効に反応できることを可能にした。
 ■従来技術との比較
 一般的なゼオライトは均一なミクロ細孔を有するが、細孔が小さいために応用上の問題があった。そこで、この問題を解決するためにミクロ細孔より少し大きく分子の拡散障害は起こさないが濃縮効果を有するメソ細孔を併せ持つ結晶性のよいゼオライトの創製が望まれており、本技術によりその合成が可能となった。


6
16:50〜17:20
スイッチ機能を有する分離多孔膜

日本原子力研究所高崎研究所材料開発部 副主任研究員
浅野 雅春
 ■技術の特徴
孔の形状、孔の径、密度及び配列の方向を自由に制御できる。
1000倍のアスベクト比をもつ穿孔ができる。
温度、酸性度(pH)などの環境に追従して孔径を自由に変化させることができる。
 ■想定される用途
エレクトロニクス工業、食品工業、化学工業、医薬品工業、発酵工業などの分野における分離膜
エイズウィルスと肝炎ウィルスの濾過、分離
人工臓器(例えば、インシュリン産出の人工膵臓など)
 ■技術概要
 イオン照射・エッチングs処理により得たイオン穿孔膜表面に温度、酸性度(pH)に応答して伸縮する機能性物質をγ線グラフト重合技術により付与。その環境応答性多孔膜により物質を分離。
 ■従来技術との比較
 従来膜は、その製法から孔径が不均一で、かつその制御が難しい。また、イオン穿孔膜は実用化されているが、環境に応じて孔径を制御させる機能はもっていない。


7
17:30〜18:00
アルミニウム系金属材料の表面処理方法

千葉工業大学工学部機械サイエンス学科 教授
高谷 松文
http//www.it-chiba.ac.jp/
 ■技術の特徴
アルミニウム系金属材料へのクロームフリー化成処理
アルミニウム系金属材料への耐食性、塗装密着性向上
アルミニウム系金属材料への耐摩耗性皮膜生成
 ■想定される用途
アルミニウム建材、耐摩耗機能部材
電子機器筐体、ヒートシンク
導体から絶縁皮膜の形成
 ■技術概要
 有害ミストの発生が少なく、排水の公害も著しく小さいアルミニウム系金属材料表面に良好な耐食性、塗装密着および耐摩耗性をもたらす化成皮膜形成法の技術について述べる。
 ■従来技術との比較
 アルミニウム系金属材料の耐食性、塗装密着性を向上させるために、従来、六価クロム酸塩を主成分とする強酸性水溶液をもちいて化成皮膜を形成させている。この方法は六価クロム含有する有害ミストを発生する。従来法に比較して本法はマンガン系化成皮膜を形成させるため有害なミスト発生が少なく、排水の公害も著しく小さくなる。